【注・写真あり】巻き爪は切るより伸ばす方が治る? お医者様の正しい「巻き爪」講座

お悩み肌から「伊達肌」へ
~初恋肌のつくりかた~【16】

 

巻き爪のお話し

こんにちは! 皮膚科医SONOKOです。突然ですがみなさんのお爪は健康ですか?今回はご高齢の方だけではなく若い方にも多い巻き爪についてのお話しです!【ご注意ください】以下、すこしばかり衝撃的な写真を1点掲載しております。

 

まずお爪の正常な構造を見ていきましょう。

(図1 正常爪の構造 引用:https://ameblo.jp/kaina-me/entry-11516147242.html)

 

 

正常であればお爪は図のような構造をしており、爪は平らく平べったい形をしてます。

本来爪は放っておくと巻いていく方向(巻き爪になる方向)に自然と力がかかっていきますが、歩くことで床からの圧力により巻き爪とはならず通常はあの平べったい形を保ってるのです。なので寝たきりの老人などに巻き爪が多いのはこのためなんですね。

他にもつま先が細―い靴を履くことで周りから爪の端っこが押されて押されてだんだんと爪が巻いてくることもあります。日常診療でもどちらかというと男性よりは女性のほうが巻き爪になりやすい印象があります。

 

巻き爪になるとどんな症状?

巻き爪に苦しんでいる方はよおくご存知かと思いますが、爪が巻いてきてしまうと以下のようなことが起こります!

痛み

まずコレ! 巻いた爪が皮膚に刺さるので痛みます。爪の食い込み具合が強いほど痛みも強くなっていきます。

炎症

「爪囲炎」と呼ばれますが、爪の皮膚への食い込みがずっと続くと反応性に腫れて熱を持ってくることがあります。ここにばい菌がついて感染がおこると抗生物質などを投与することもありますが、多くの場合が反応性の炎症であることが多いですね。

肉芽

さらに爪の食い込みが皮膚のもっと深いところに刺さっていくと、皮膚は爪を「外から敵が来たぞー!!」と異物として認識し対抗しようと肉芽を作っていきます。ひどい巻き爪の方は刺さっている爪の周りにモリモリっと肉芽がつくられているのは、ほんと痛々しい限りです……。

(図2 巻き爪肉芽 引用:あたらしい皮膚科学 第2版 P353/ 中山書店)

 

治療

治療は巻き爪の段階によって異なりますが、ポイントは①爪は伸ばして平行にカットする、2:皮膚への食い込みをなくすことです。

 

爪は伸ばして、平行に切れ!!

意外に思われるかもしれませんが、巻き爪の治療の基本は(というか予防)爪を伸ばすことなのです!! 通常爪は爪郭そうかく-−爪の端がくっついている皮膚の溝-−より伸びるとその構造上巻きづらくなっています。

なので痛いからといって自己判断で短く切ってしまうと余計に刺さってエンドレスな苦しみが続くので、とりあえず伸ばしましょう!

 

そしてもう一つ超重要なのが爪の切り方です。

せっかく伸ばしたのに斜めにカットしてしまうと伸びてくる段階でまた刺さっていってしまいます。なので、下図のように平行に!!! カットしましょうね!

 

爪の皮膚への食い込みを阻止せよ!!

次に1と平行して刺さっている爪を皮膚からなるべく離しましょう。これはテーピングと呼ばれていて皮膚科の外来で良く指導するやり方ですが自分でも出来る簡単なものなので是非ここでマスターしてください!

 

※お写真お借りしました:http://keserasera.jp/makidume-tape

 

 

※肉毛が出来たり腫れてきてしまったら……

ここまでになってしまうと自分での治療は難しくなりますので早めに皮膚科受診しましょうね!

治療としては液体窒素で肉毛を焼いたり(!)、ワイヤーで爪の湾曲を矯正したりいろいろな方法がありますが症状に合わせて変わってくるので良く相談してみましょう。

ちなみに皮膚科外来で診察する巻き爪で個人的に一番難解で苦労するのが、抗ガン剤の副作用による巻き爪と爪囲炎かなあと思います。

肺癌などで使うある種類の抗癌剤は副作用で巻き爪や爪囲炎を起こすことがあり、症状がきつい人は本当に痛そうです。足だけではなく手指の爪にも起こるので日常生活にかなりのストレスがかかってしまいます。

そしてお薬を使い続けている限り症状は続くので、こちらも日々向き合って一緒に戦っていきます。

もちろんお薬が終われば自然に症状も落ち着いてくるのでなんとか粘りながら抗癌剤を使っていく形になります。

そんなわけで今回は巻き爪の基本についてお話ししました。

特に上で書いた1と2は自分でも出来るので今苦しんでいる方は参考にやってみてくださいませ!それでもダメなら迷わず皮膚科へGO! それではまた次回~。

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皮膚科医SONOKO

皮膚科医SONOKO

即効性より日々の積み重ねを重視する、皮膚科一筋の皮膚科医。好物は焼き鳥とうまい棒。まずは自分の皮膚を見て・感じて・触ってみよう。そこにはあなたの心や生活が表れています。こんな小さなこと聞けない……お医者さんに見せるタイミングが分からない……そんなあなたがそっと立ち寄れる皮膚コラムをめざして。ストレス社会で闘うあなたが、あなたの皮膚を自分で守れるよう私がサポートします!