アトピー性皮膚炎とステロイド外用薬の「正しい作用・副作用」を知ってほしい!【前編】

お悩み肌から「伊達肌」へ
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ステロイド外用薬と内服薬、その効果と副作用

こんにちは! 皮膚科医SONOKOです。今回は皮膚科診療では必ずといっていいほど登場する『ステロイド』についてお話します。皮膚科にかかりつけの方ならば、一度はステロイド軟膏を使用したことがあるかと思いますが、その効果や副作用についてはご存知でしょうか?
 

テレビなどメディアで時おり誤解を招く報道をされているな、これじゃあ怖くて使えなくなるな……と個人的に思うこともあり、今回は皆さんにステロイドというものを正しく理解していただき、より効果的に使っていただくために話を進めていこうと思います。

 
 
ステロイドとは副腎――腎臓の上にある臓器――から作られる副腎皮質ホルモンのひとつで、我々が普通に生きていく中で体内で作られ放出されています。ステロイドの作用は簡単に言うと、炎症を抑えたり免疫を抑制する役割が代表的です。

 

誤解がひとり歩きしている『ステロイドの副作用』の正しい知識

皮膚科では皮膚に炎症を起こしている場合に、このステロイド外用薬を使用します。ここで、患者さんがとても心配するのが『ステロイドの副作用』だと思います。では1つ、とても重要なことを言いますのでよく聞いてください。


ステロイドの塗り薬の副作用

ステロイド飲み薬の副作用は異なります

 

これを混同してしまう患者さんがとても多く――メディアなどの不必要な恐怖感のあおりなどの影響もあると思いますが――恐怖感でいっぱいになり、効果的な治療になかなか踏み出せないことが多いと感じております。

しかし治療を導入する際に、作用・副作用の説明を十分に行わない皮膚科医がいるのも事実なので、みなさんの不安を払拭すべくしっかりお話していこうと思います!

 

ステロイド外用薬の副作用

皮膚科で使用するステロイドは塗り薬中心になるので、外用薬による副作用がメインと思っていいただいて大丈夫です。副作用としては以下が挙げられます。

皮膚萎縮/皮膚線条

(※図1 http://atopy-endo.com/keitaiman14hormone.htmlより引用)

真皮の繊維芽細胞やコラーゲン産生が抑制されることで皮膚がうすくなりもろくなる。皮膚にちりめんジワができる。

 

毛細血管拡張

(※図2  www.oki-hifuka.jpより引用)

皮膚の表面に細かい血管がみえる。

 

 

ざ瘡(ニキビ)

免疫が抑制されるのでアクネ菌の感染増殖がふえる。

 

多毛

ステロイドには男性ホルモン作用があるので。局所的にみられる。

 

ステロイド紫斑-すてろいどしはん-

(※図3 http://allergy-skin-treat.jp/steroid-side-effects-623より引用)

血管がもろく弱くなることで出血したような皮疹がみられる。腕に多くみられる。

 

酒さ様皮膚炎-しゅさようひふえん-

(※図4 steroid-withdrawal.weebly.comより引用)

ステロイド外用を長期間続け、急な中止により顔が赤くなりニキビ・毛細血管拡張などが出てくる。

カビ(白癬・カンジダ症)

免疫が抑制されることでカビが増殖しやすくなる。
 
 
――などなど上記に挙げたいくつかのケースはいずれも強いステロイド外用を長期に連日行っている場合に出現してくるので、たとえば湿疹などで短期で塗る場合にはほとんど出てくることはありません。さらに、皮膚萎縮・線状を除いては、いずれもステロイド外用中止や適切な処置により改善することが多いです。例)ニキビにはニキビの外用や抗生剤内服など、カビにはカビの塗り薬など。

 

ステロイド外用薬の「強さ」の順番を知っておこう

(※図5 http://otc-drug-info.jp/skin/antebate01/より引用)

ステロイドの外用薬にはその強さによって強い順に【strongest】【very strong】【strong】【medium】【weak】の5段階に分けられます。

ざっとお話すると、

●お顔に使うのが【medium】クラス
●体に使うのが症状によって【strong以上】を使うことが多い
 
●ただし、乳児やお子様には体であっても【medium】クラスを使うことが多い ※症状年齢により異なる。

本来、ステロイド軟膏を比較的長期に使用するアトピー皮膚炎であっても、一番強いstrongestクラス(デ○モベートなど)の外用を何か月も使用し続けることはまずないので
 
もし一番強い薬をずっとぬるように言われている……というのであれば必ず医師と相談しましょう!
 
 
長くなったので今回はこのへんで。次回はステロイド内服の副作用を中心にお話します。それではよい週末を!!

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皮膚科医SONOKO

皮膚科医SONOKO

即効性より日々の積み重ねを重視する、皮膚科一筋の皮膚科医。好物は焼き鳥とうまい棒。まずは自分の皮膚を見て・感じて・触ってみよう。そこにはあなたの心や生活が表れています。こんな小さなこと聞けない……お医者さんに見せるタイミングが分からない……そんなあなたがそっと立ち寄れる皮膚コラムをめざして。ストレス社会で闘うあなたが、あなたの皮膚を自分で守れるよう私がサポートします!