断ることで、惹きつける~『断り力』VOL.2~断る方が主導権を握るの巻~Nè inerzia nè capriccio ma necessità e vita!

※ただしイケメンに限る、とはもう言わせない[18]作:矢部樹

 

男性ダイエッター矢部樹です。

『断り力』――断ることで惹きつける力が、思った以上に弱いということを自覚することになった僕。架空の設定上のレッスンだというのに、はるの先生扮する新入社員である後輩の麗子ちゃんの甘いお願いを断れずにいた前々回。

参照断ることで、惹きつける~『断り力』

 

断ることで、惹きつける~『断り力』VOL.3

はるの先生:「世の中にはね、断り力が高くなければならない職に就いてる人たちがいるのね。たとえば、キャバ嬢やホステス、ホストがその代表例かな」

矢部:「なんでですか?」

はるの先生:「ほとんどのお客様って、キャストと外で会いたいのよ。外に連れ出したいのよ。お店にお金を落とすことなく、店外デートで”どうにかしたい”のよ。店外に連れ出すことが出来れば“どうにかできる”なんて思ってんのよ」

矢部:「ほぉ……!」

はるの先生:「店外を1度経験すれば、2度も3度も求めちゃうのが人情。でもキャストは店に客を呼んでナンボ。店にお金を落としてもらってナンボ。でも客も必死。なんせ1度は店外をOKしてくれたんだから、店にお金を落とすことなくお気に入りのキャストとは外で会いたいわけよ」

矢部:「なるほど……」
はるの先生:「この手の攻防、マジで面倒くさいのよねw」

矢部:「はい」
はるの先生:「客も必死、こっちも必死。だから、いかにうまく断るかがとっても大事になるわけよ。強くハッキリ断ればいいってもんじゃないし、かといって曖昧にしてると遊び慣れた客にはつけ込まれる。店外の誘いをうまく焦らして毎日毎日お店に通わせると、一般客はいつかパンクする」

矢部:「怖い世界なんですね」
はるの先生:「そうなんだす。だからいかに上手く断るか、次に繋がるように(=来店させるように)断るかがとても大切。もちろん同時に客を育てることもしなきゃいけない」

矢部:「僕にそれができるんでしょうか?」
はるの先生:「できるよ、わたしがついてるから大丈夫」

矢部:「断ったら次がない、と思ってしまうんですよね……」
はるの先生:「断り方次第だよね。たとえば、矢部がわたしをデートに誘うとしましょう。ほい、デートに誘ってくれたまえよ」

矢部:「春乃さん、今週の土曜日……」

春乃:「むりです(即答)」
矢部:「ひどい!」
春乃:「脊髄反射で、ついうっかり。はい、もう1度!」

 

矢部:「春乃さん、今週の土曜日よかったらお好み焼きを食べに行きませんか?」

春乃:「あー。ごめーん! その日は別の予定が入ってんねん、またにゃー」

 

矢部:「この断り方ってどういう意味になるんですか?」
はるの先生:「わたしは矢部とお好み焼きを食べたくない(キリッ」

矢部:「僕に好意がないという?」
はるの先生:「さよう。代替案も出してないし、なにが理由でダメかなのかを答えることなくサクッと切り上げてるじゃろ。じゃ、別のパターンいくで。ほな、誘ってみて」

矢部:「春乃さん、今週の土曜日よかったらお好み焼きを食べに行きませんか?」

春乃:「ぎゃー! ついさっき女友だちとカラオケに行く約束しちゃったー! 残念すぎるー!」
矢部:「タッチの差で遅かったかー!!!」

 

はるの先生:「なんじゃそらww はい、もう1回誘ってきて」
 

矢部:「春乃さん、今週の土曜日よかったらお好み焼きを食べに行きませんか?」

春乃:「お好み焼きは嫌です」
矢部:「?!」
春乃:「ちゃんこ鍋なら行きます」
矢部:「じゃ、ちゃんこ鍋にしましょうっ!!!」
春乃「でも今週末は無理ですっw」

 

はるの先生:「はい、もう1回誘ってきて」
 

矢部:「春乃さん、今週の土曜日よかったらお好み焼きを食べに行きませんか?」

春乃:「ん……もしかすると予定が入るかもしれないんですよね、その日」
矢部:「あぁ、そうなんですか……」
春乃:「そうなんです、まだ予定がはっきりしなくて。ごめんなさい!」
矢部:「その予定っていつ分かるんですか?」
春乃:「たぶん金曜日には分かるかなー」
矢部:「じゃ金曜日にもう1回連絡してもいいですか?」
春乃:「じゃあ、土曜日の予定が空いたらわたしから連絡しますね☆」
矢部:「待ってます!!」

 

はるの先生:「今日、仕事が終わったら飲みに行きませんか? って誘ってきて」
 

矢部:「春乃さん、仕事が終わったら飲みに行きませんか?」

春乃:「うわー! なんで昨日のうちに誘ってくれないんですかー!」
矢部:「あら、なんか予定が入っちゃいましたか?」
春乃:「入っちゃいましたよー。遅いですよー矢部さーんw」
矢部:「じゃ、じゃあ今週の土曜日はどう?」
春乃:「土曜日の予定はまだ分からないですよ♪」
矢部:「じゃ、土曜日空けてもらえない?」
春乃:「もしかしたら合コンの召集が入るかもしれないので、まだ分かりませんっww 予定が分かったら連絡しますね。おつかれさまでーす♪」

 
はるの先生:「春乃さんは、矢部からどんな風に誘われてもひとまず断っているわけですが、嫌な気になりましたか? 二度と誘わない、誘えない、誘うのが怖いと思った?」

矢部:「思ってません」
はるの先生:「なぜ?」
矢部:「サクッと断られましたけど、嫌われてるわけじゃないというのがなんとなく分かるから……でしょうか」

はるの先生:「なるほど。では、前回と同じように麗子ちゃんに登場してもらうから、どんなに甘くしつこくお願いをされても鉄壁に断るように!」

 

断ることで、惹きつける~『断り力』VOL.4

麗子:「矢部先輩、相談したいことがあるので、今から来てもらえませんか?」
矢部:「今、仕事で手が離せないから明日じゃ駄目かな?」

麗子:「仕事辞めようかな……毎日悩んでて。こんなこと、矢部先輩にしか相談できなくて。どうしても駄目ですか?」

矢部:「じゃ明日の仕事終わりに飯でも行こう。その時にゆっくりと話を聞かせてもらうね。今日はまだまだ仕事だからごめんな!」

麗子:「あ……っ!」

プーッ プーッ プーッ

はるの先生:「矢部樹、手綱を握りました。WINNER!」
矢部:「ぼ……僕は麗子ちゃんに嫌われてないんでしょうかっ?!」
はるの先生:「矢部のくせに生意気な! くらいのもんです。だいじょーぶ」

 

僕は、職場でも上司から言われています。

お客様の言うこと・お客様の要望を全て聞いて振り回されちるようじゃダメだ。聞いてるようで主導権はあくまでもこちらが握るように」と。

『謙遜力』もそうですが『断り力』も、強く生きていくには必要で、そういう男性がやっぱりモテるのでしょうか >_< 恋も仕事も頑張らないとな……。

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